記録

みたものの思い出

老人と海

借りパクしそうになってた。人の本。

 

孤独な夜に読むとグッと距離が縮まって、古典小説を読むのが苦手な人でもバトル漫画みたいにすっきり読めそうだと思った。

最初に途中まで読んで放置していた本だけど、1度目はしんどすぎて読みきれなかった。

 

なぜかその時、なにもなかったことにして(老人が)いつもの朝のように起きるんだと、最後のシーンを思い込んでいたので、実際は異なるラストであれ?ってなった個人的な思い出。

 

チェーホフの銃の理論のように、小説の理論として、同じことは何度もあまり言わないべきであると思うんだけど、飽きるし、でも、老人の「あの子がいれば」「夢だったら」というのはほんとに身に迫って、そうだよなあ、と思ってよんで、同じ言葉に何度でも新鮮に頷けた。 老人の強がりを黙って話を合わせてあげられる優しい少年の涙は最後まで老人をかわいそうでいさせず、優しいなあと思った。

読んでいて本当に老人が忍耐強く、勇ましいので、このまま死んでしまうんじゃ、と思って読み進めていた。美しい人はすぐ死にそうな気がして読んでしまう癖がある。

解説はよくわからなかったし、必要かどうかさえ、わからなかったけど、とりあえず、暗い海や潮の匂いや、魚の動きを想像して読めたらそれ以上必要なことはないと思う。

 

 

老人と海 (光文社古典新訳文庫)

老人と海 (光文社古典新訳文庫)